日本の離婚率は近年上昇傾向にあります。2000年には26万件をこえ、他の先進諸国と比較すると低い方ですが、
他の国々があまり変化がない中で、日本では大幅に上昇していることは特徴的です。
司法統計年報により離婚の理由をみてみます。
低い方から順に多い方へと10位から1位を紹介しますと、男性側の理由では
10位「暴力を振るう」
9位「家庭をすてて省みない」
8位「同居に応じない」
7位「性的不満」
6位「精神的に虐待する」
5位「浪費する」
4位「異常性格」
3位「家族親族と折り合いが悪い」
2位「異性関係」
1位「性格が合わない」
となっています。

一方女性側からみると、
10位「異常性格」
9位「酒を飲みすぎる」
8位「家族親族との折り合いが悪い」
7位「家庭を捨てて省みない」
6位「浪費する」
5位「生活費を渡さない」
4位「精神的虐待をする」
3位「異性関係」
2位「暴力を振るう」
1位「性格が合わない」
となっていて、男女とも「性格が合わない」や「異性関係」が多く、
「暴力を振るう」や「精神的虐待をする」は男性側でも6位、女性側でも4位と高くなっています。

女性側から見て、「家庭を捨てて省みない」、「浪費する」や「生活費を渡さない」は、「精神的虐待」にも等しい感覚のもので、
現在の働きたくても働けない状況にある、例えば待機児童の問題や、
人材を育成するよりも安価ですむとして雇用されるパートやアルバイト等の低賃金で働かざるを得ない状況にある女性にとっては、
夫からの生活費がなければ生計の不安が大きく「精神的虐待」と同じような感覚に違いありません。

男性側の理由にも「家庭を捨てて省みない」、「浪費する」、「精神的虐待」など同じ理由が挙げられています。

また、「家族親族と折り合いが悪い」も今の社会状況を反映していると思います。
少子化、核家族化が進んだことにより、個人が他の人との付き合い方が上手ではなくなったことと、
社会状況の変化により価値観が変わった上に、昔なら周囲の親や祖父母等のやり方をみて親族との付き合い方を自然に身につけることができたのが、それが出来なくなったことが背景にあります。

次に理由毎に時系列に見ていくと、近年割合が高くなっているのは「性格が合わない」、「精神的虐待」等であり、
逆に低くなっているのが「異性関係」や、「同居に応じない」等です。
「精神的虐待」は近年のドメスティックバイオレンスの増加を推し量ることができます。

また、離婚率を同一時期に生まれた人の集団別にみてみると、2000年時点で40歳未満の人の集団が顕著に上昇しており、
特に10代、20代の若年で高くなっています。さらに婚姻期間が長い夫婦の離婚が大きく増えています。

近年は、離婚件数の総数に対する婚姻中の夫婦間の調定事件の新受件数及び家庭裁判所の手を経た離婚件数の割合がどちらも低くなっていく傾向があり、
結婚しても性格があわなければ離婚しても良いという風潮が強くなっていると言えそうです。